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さて、今日も前のつづき。

いろいろお経や思想があるが、

奈良時代までの日本の仏教やお寺は、
あくまで思想や哲学の研究機関のようなもんだった。

「戒律」(お坊さんの決まり)だとか、
「空(くう)」の思想だとか、
「八識(はっしき)」(人間の深層心理を8つの段階に分けたもの)だとか、
「華厳(けごん)」だとか、、。

この中で、お坊さんは、いろんな所にいって、それぞれにいろいろ勉強していた。
つまり、宗派のちがいは、大学の専攻科目の違いみたいなもんだったわけだ。

それが、最澄と空海の登場により、大きく変わる事になる。
それが平安仏教。

さて、この平安仏教は、何か?というと、

奈良仏教は、ごく一部の人だけが学ぶ「学問」であったが、
そこに大乗仏教という仏教の新しい流れを取り入れた、ということなのだ。

それまでにも、お経や思想的には、大乗仏教は日本に伝えられてはいた。

でも、例えば「戒律(きまり)」は、小乗仏教のこまごまとしたものであったし、
いろいろと古い体質をひきずっていたのだ。

そこで、最澄というお坊さんは、天台宗という、中国に昔からある宗を
輸入しようとした。
そして、大乗仏教としてのお坊さんを育成する事を目指したわけだ。


それが、ちょうど平安京に遷都したころで、都が奈良から京都に移ったころだった。

都が移るということは、時代の変わり目であり、人々は、当然、新しいものを欲した。
そこに合致した最澄の志は、国や帝(桓武天皇)に支えられ、中国に留学することとなる。

そして、中国から、天台宗を学び持ってかえってきた、というわけだ。

ここらで少し天台宗の話をするが、最澄の天台宗は、
「法華経」を基盤にして、「禅」「戒律(大乗)」「念仏」「密教」の四宗兼学だった。

最澄が目指したのは、大乗仏教の総合大学のようなものであったようだ。
これを、一つ一つ鎌倉仏教に絡めて、みていくことにする、



まず「法華経」

法華経は、仏教の中の「一神教」的思想である。

彼らは、
お釈迦さんがその生涯の中で、多くの教えを説いたが、
「法華経」はその中でも、最後に説かれた、もっとも大切な教えである、
とする。

その他の教えは全て、「法華経」の教えを説くための方便であり、
「法華経」だけが、その仏の教えの中で、唯一絶対最高のものなのだ。
と考える。

ただし、きっちり述べておかねばならないことがある。

まず、多くのお経は「仏説(お釈迦さんが説いた)」とされるが、
ほとんどが、後世のインドのお坊さん達が考えたものである。

「法華経」も釈尊入滅後500年後の成立であり、
500年も立ってから、いや実は「法華経」が唯一絶対だ、
釈尊がそう言ったんだ、と言われても、
それはむちゃな話である。

また、この教えとその集団の危険性として、
一神教というのは、イスラム、キリスト、ユダヤを見てもわかるが、
自分のとこの教えが絶対で、他の教えはすべて邪教、となりやすくなる。

唯一絶対の神(教え)は一人(ひとつ)しか居ない、という理屈上、一神教の理屈では、
異教徒はすべて改宗をせまるべき対象になってしまうのである。

後に、鎌倉期に、日蓮上人が、天台宗から出て、法華経をさらに追求し、
日蓮宗を立てた時、彼は他の宗派を、激しく攻撃した。

あの教えは国を滅ぼす、とか、この教えは、悪魔の教えだ、とか・・・

こういう他者の完全否定は、法華経集団の発生以来の、好ましくない伝統である。


鎌倉期には、他の宗派も腐敗しており、
彼の批判も、確かに、仕方のない面もある。
(今の官僚や政治家みたいに。)

しかし、これは、他宗の腐敗した「人間」や「組織」を責めるべきであり、
その「教え」を邪教と責めるのは、お門違いである。

さて、こんな法華経系のグループ。こういう一神教系の教えはどこでもそうだが、
信者を爆発的に集める傾向がある。

なぜか?

分かりやすいからである。

「唯一絶対、最高最強!」

ね?わかりやすいでしょ?

とまあ、こんな感じの法華経系宗派。
「必ず救われます。とりあえず信じなさい」的な感じがぷんぷん。。

現代で一番有名なのは、日蓮宗と創価学会。
この二つはもともと同じ物。

創価学会は、「お金」でもめて、日蓮宗から出てきたグループ。

まあ、「人」と「カネ」があつまるところ、いろいろあります。


で、法華経集団の特徴をのべたが、
「法華経」のお経自体はどうなんだ?となると、

はい。法華経は、別に日蓮宗の専売特許ではなく、
奈良仏教や、平安仏教では、学ぶべき価値のあるお経の一つであり、

法華経の内容、実はすばらしい。


ある意味、天台宗は、法華経を大事にしつつ、他も学ぶと言う点で、
上手にバランスを取ってるなあ、と思うのだが、

そのせいで、後の純法華経系のグループには、嫌われただとか、、。


・・・で、次ぎは「禅」。

禅は、インドの言葉で、「ヨガ」であり、心と体をしっかりとコントロールし、
その可能性をひきだし、上手に使う、というものである。

その手法として、体操があったり、瞑想があったりする。
座禅というのも、つまり、「座るヨガ」ということである。

これはインドではごく当たり前の修行法であり、
別に禅宗さんの専売特許ではない。

どこの宗派でも、アタリマエにやっているものである。

これを鎌倉期に、天台宗から、栄西と道元というお坊さんがでて、
「禅」に注目し、「座禅」というメソッドで追求するという宗派を作った。

栄西禅師の臨済禅では、「公案」というような、ナゾナゾのようなものをやったりもするが。
道元禅師の曹洞禅では、「ひたすら座る」という方法を用いる。

日本文化においては、武士道や茶道の精神のもととなった。
いさぎよさ、強い精神力、道・・・

いろんな意味において、「禅」の境地は、日本の精神文化として影響を残していくこととなった。



・・・で、次ぎは、「戒律」

戒律は、お坊さんのルール。
ようするに、現代でいうと、「道徳や法律」の勉強みたいなもんかな。

生き物をむやみに殺してはいけない。
盗んではいけない。
ウソをついてはいけない。
・・・

ってな感じ。

小乗仏教の戒律は、かなりめんどくさくて、
ものすごい数の細かい戒律がある。

こまごまとした戒律をまもる事にやたら目くじらをたてた事を踏まえて、
大乗仏教の戒律は、ゆるいものになっている。

なぜなら、ルールというのは、
それを制定した時代には、必要であったとしても、
時代が変われば、必要なくなる、だけでなく、かえって害となることさえあるからである。


不殺生を守るために、食べ物は木の実だけ、
植物も、虫も踏んではいけない、とか・・・ちょっときびしすぎる。。。



・・・で、次ぎは「念仏」

あの南無阿弥陀仏!ナムナムってやつだ。
これは、仏さんに全てをお任せします!
という意味の、おいのりの言葉


これは後に、浄土宗、浄土真宗をひらいた法然上人、親鸞上人が、専門にした。
天台宗から独立し、念仏と「極楽浄土」の思想を深めていったのがこの宗派。

これも、民衆にわかりやすいように、非常に簡単に述べてある。

ただし、宗祖達の理論は、非常に深いものであるので、
本当は、見た目ほど簡単なものではない。

「極楽浄土はいずこにあるか?」
ー「あなたの心の内にある」

「念仏を唱えさえすれば、必ず極楽にいけるのか?」
ー「私は知らない。しかし、この念仏の教えを信じて、地獄に落ちても、私は後悔しない。」

・・・どうだろう?
本来、浄土系の教えに従うにも、強い精神力が必要なのだ。


・・・で、最後に「密教」

密教は、かなり趣が異なる。

また、空海抜きには語れない。

これはまた次回。ということで。


とりあえず、今日の結論は、

鎌倉仏教の祖師は、天台宗という「総合大学」から出てきて、
個々の手法を深めて、専門の「単科大学」を作ったというような感じ、で理解してみてはどうだろうか。





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無題
多分日本はせかいいちですよ
tarou aso 2009/04/23(Thu)20:34:03 編集
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