過去を整理するということ

人生には、過去を整理する時期が来ることがあると思う。

（まあ、整理しない人もたくさんいるのかもしれないけれど。）

でも、過去を整理するって、どういうことだろう？

昔の思い出の品やアルバムをひっくり返して、
「ナツカシイ！あんなこともあったなあ」って？

いやいや、それは全然ちがう。
次から次へと片づけたものを掘り返して、
また、きれいに片づけていく、というのは、あまり意味がない。

まあ、たまに整理整頓するって意味ではいいと思うし、
過去の思い出にふけるのもわるいことじゃあない。

しかし、過去を整理するってのは、どうもそういうことじゃない。

それは、過去に自分が残してきたトラウマや、自分の悪い癖、
今の自分の生活や考え方、心にこびりついている、思い込み、、、

それらが、どうやって、自分にこびりついてしまったのかを
もう一度、過去を生きることで、思い出して、見つめなおす作業だと思う。

そう、過去は現在へつながっていて、現在は未来へとつながっている。


例えば、、、人に言われたことを断れない人がいるとする。
彼や彼女は、なぜ、ノーと言えないか。

例えば、はっきりと「ノー」という事をなんとなく許されていない環境で育っていた
かもしれない。それは、「日本」の中や「家族」の中で、身に着けたことかもしれない。

でも、大人になっても、人のいいなり、というのはどうだろう？

子供の時は、なんでも言うことを聴く子がいい子、というのが求められるものだが、
時間がたって大人になっても、なんでも言うことを聴く大人がよい、わけではない。

まあ、周りからは、何でも言うこと聞いてくれる人は、喜ばれるだろうけど。

ともあれ、過去に身に着けた経験やクセを、もう一度、現在という時間から
見つめなおして、今とこれからに必要な形に、修正していかなきゃいけない。

そういう作業が、過去を整理することなんだと思う。

それは、自分の中の嫌な部分に目を向けることであり、
影の自分と向き合うことだといえる。