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ふと考える。
「日本人」って何だろう?

で、思った。
「日本人」というのは一種の”観念”だ。

そもそも、「国家」と「領土」と「国民」という発想のもとに、
「日本人」というものがいる。

ようするに、「日本人」=「日本国の国民」と言う意味だ。

こういう発想は19世紀のフランス革命と合衆国独立から
始まった。

とある本から引用しよう。


実は18世紀末まで、「国家」などという政治制度は
世界中のどこにも存在しなかった。

あったのは、「君主制」と「自治都市」だけだった。
その証拠に、世界のどこの国語にも、本来「国家」を意味する言葉は見つからない。

現代日本語の「国家」は、英語の「ステート」、フランス語の「エタ」の翻訳だが、
どちらももともとは、「位、身分、財産」という意味だ。

つまり、君主の「財産」が、「国家」の原型なのである。

その君主を廃し、その財産を市民が強奪して「国家」は始まったのだが、
今度は、国家の正統な所有権者がだれか?が問題になる。

国家の所有権は「国民」に帰属する、ということになると、
こんどは、その「国民」とはだれか?が問題になる。

そこで「国土」に住んでいる者が「国民」だ、ということになる。
そうすると、それまでなかった「国境線」を引いて、
その内側の住民を「国民」とすることとなる。

そして、「国民」には、同じ「国語」を話し、同じ「国史」を共有することを
強制するようになる。

こうして、革命が生み出した「国民国家(nation state)」は
瞬く間に世界地図のほとんど全面を、塗り替えてしまった。

この「国民国家化」が、いわゆる「近代化」の本質なのである。

そういうわけで、国民国家の時代に生まれ育ったわれわれには、
国家と言うものが無かった時代のことを正しく理解することがむずかしい。

つい18世紀以前の歴史にまで、「国民国家」の観念を投影してしまうのである。


「国家」という思想は、現代人の頭の中を強く支配している。
日本人、中国人、韓国人、アメリカ人、スペイン人、フランス人、ドイツ人、、。

「国家」とか「民族」とかそういうレッテルに無意識に振り回される。
例えこちらが意識しなくても、あちらはそう思いこんでる。

「日本人」?そんなもんは、どこにもいない。
「中国人」?そんなもんも、どこにもいない。

すべては、政治的な都合で決められて、思い込まされてるだけだ。

民族や国家の概念からはそろそろ抜け出さないと。

政治的に「日本」という国に登録されている事は、それでいい。
でも、観念にまでとらわれたままでは、何も解決しない。

近代化の呪縛はほんとにすさまじい。


最後に、これについて、また空海さん登場、ってことで、
司馬遼太郎の「空海の風景」から引用しとこう。


日が傾くと、弦歌嬌声が満ちた。
貴と無く、賤と無く。

この町をぞめき歩く中に、空海も、人のかかとを踏みつつ歩いたかと思われる。
ペルシャ生まれの少女が、露天で人を集め、舞踏して見せるのも、この町であった。

娘達は桃色に息づく体をケイシャで包み、つま先を立てて激しく舞う。
空海もおそらく群集に混じり、伸び上がって娘達の舞を見たであろう

空海は、この町を紅毛碧眼の西域人が皮のコートを着、
ひざを覆う長靴(ちょうか)をはいて悠然と歩いている光景に驚いたにちがいない。

空海の幸運は、生身でこの中に居た事であった。

彼が後に、その思想を打ち立てるにおいて、
「国家」や「民族」という、瑣瑣(ささ)たる特殊性から抜け出して、

人間を、人種で見ず、風俗で見ず、階級で見ず、
単に人間と言う普遍性としてのみとらえたのは

この長安で感じた実感と、無縁で無いに相違ない。


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無題
さて。
それではここで一曲。
松永貴志『残酷な天使のテーゼ』
http://de.youtube.com/watch?v=zQ5sf0NTyHI&feature=related
1・2・3・4・まなぶ・6・7・8 2009/01/31(Sat)00:57:46 編集
無題
上手いね。情熱大陸チックな伴奏でいいね。
もぐら 2009/01/31(Sat)16:08:19 編集
無題
desyo!!!

Jazz Piano ni hamatte masu-----
oukami ! 2009/01/31(Sat)22:47:56 編集
無題
ジャズかあ。いいねえ。
もぐら 2009/02/01(Sun)01:34:06 編集
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