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フラメンコとは、スペイン南部アンダルシア地方の民謡である。

アンダルシアという土地は、ヨーロッパの西の果て、
そして、アフリカから最も近いヨーロッパ。

古くはフェニキアの植民地、ローマ帝国の属州として栄え、
ゲルマン民族の大移動の際も多くの民族がやってきた。

Andaluciaという地名は、
Vandalucia、つまり、ヴァンダル人の土地という意味から来ている。


スペインは、イスラム教徒に長い間支配された歴史をもち、
その際は、アンダルシアのコルドバやグラナダは、首都として栄えた。

レコンキスタ(国土回復運動)以降は、カトリック(キリスト教の一派)の国となった。

そして、レコンキスタの終結とともに、
新大陸到達、大航海時代を迎え、世界中でやんちゃにあばれまった。

アンダルシアはその際にも、港として、
新大陸貿易、新大陸経営の中心であった。


何が言いたいか、というと、この土地は、
多くの文化の交差点である、ということなのだ。


さて、話をフラメンコにもどす。

アンダルシアに、セビージャと、カディスという町があるが、
この二つが、フラメンコの発祥となる。

カディスは、ローマ時代の文献にも、でてきている。
ローマ貴族の間ではガデスの踊り子が大人気だったのだとか。

それだけ、大昔から舞踏や音楽性の高い土地柄だった。

そして、そこにやってきた多くの音楽。


ヨーロッパの古典音楽、スペインの古民謡、グレゴリオ聖歌、

そしてアラビア音楽、アフリカのパーカッション、ユダヤの哀歌

新しくは、ラテンアメリカからの音楽。


これらを土台にして、フラメンコは生まれた。
しかし、ここにまだ、大事な要素が一つ足りない。

それはジプシーである。

フラメンコは、これらのいろんな音楽によって育まれた
アンダルシアの音楽文化を土台にして、ジプシーが行った音楽なのである。

ジプシーとはいかなる人たちか?
学説によると、

ジプシーは、エジプシャンのなまりであり、

彼らが放浪してやってきた際に、各国を通行するのに、
「自分達はエジプトからの巡礼者である」と名乗っていたのが語源なのだとか。

しかし、実際には、彼らは北インドからやってきたようであり、
インド古典音楽に、フラメンコ独特のリズムとの関連があるらしい。


ふむ。なるほど。

ちなみに、インドから西にやってきたジプシーのスペイン到着は
レコンキスタ終結 及び コロンブスのアメリカ発見の1492年の前後であったという。

そしてそのころの日本は、というと足利の室町時代あたり。
つまり、「能」や「歌舞伎」の成立の時代である。

能の表現するものは、フラメンコの表現するものと非常に似通っている。

能ではそれは「幽玄」や「妙」と呼ばれている。
フランメンコでは「Duende」や「Aire」と言われるものである。


つまり、音楽や舞踏の表面的な部分ではなく、
その内に秘められた何か、をその音楽の本体、とする部分が、
能やフラメンコの面白さだと思う。

そして、それは密教とも、同じものと言える。


宇宙と自分との一体化。

インド哲学で言うと、
ブラフマン(梵)とブラフマン(我)。

梵我一如という。


ジプシーがもたらしたこの思想を強くもつ、と言う点で、

フラメンコはただのヨーロッパの西の端の音楽ではなく、
普遍性をもつ音楽ということになったのだ。


まあ、古い音楽の起源とは、もとを正せば宗教儀礼である。

つまり、神への賛歌。

フラメンコのカンテ(歌)には、いまだにそのシャーマニズム的な、
原始音楽のにおいが色濃く残っている。

つまり、カンテ(フラメンコの歌)は、全身全霊をかけて神にささげる
「いのり」であり、

その本質さえ持っていれば、世界中の他の音楽の演奏であっても
「とってもフラメンコ(的)だ」と高く評価されるのである。

つまり、伝統的な音楽としての「形式」が重要なのではなく、
その「幽玄」や「妙」が、フラメンコという音楽の本体なのである。

そして、こういう民族音楽としての「いのり」的性質であるにもかかわらず、
その表現として、非常に高度な音楽性を持っている、というのには、

スペインという、世界中の文化の交差点、という土地柄が関係している。

いろんな条件の重なり。

すごく面白い。


まあ、とりあえず、細かいことは、またの機会にしよう。

とにもかくにも、フラメンコというのは、こういう音楽なのである。





 

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